町の中のモザイク状水田とカエル達の大合唱
湯村温泉街のバス通りを北に進むと厄除け地蔵尊が
鎮座する塩沢寺がある.ここから西一帯にはかつて
水田が広がっていたが,宅地への転用が進み今では
水田と宅地とが複雑なモザイク模様を形づくっている.
この付近を6月の今,日没を見計らって散歩すると
宵闇にカエルの大合唱が響き渡り,車の走行音も
かき消されんばかりの迫力である.
そのカエルであるが,嘗ての主役はトノサマカエル
であった.昭和の頃の水田には昼間でもトノサマカエル
がそこかしこで跳ね回って,下校時に追い回した
記憶を持つ方も多いのではなかろうか.しかし,
独特のゲコゲコという鳴き声はもはや鳴き声の中から
判別することは難しい.この種の個体数は激減し,
今や絶滅危惧種に仲間入りしているという.吸盤を
持たない彼等にとってコンクリ―ト製の側溝は
這い上がることが難しい絶壁のようなものだろうか.
溺れるカエル達を追い越して登場してきたのが二ホン
アマガエルである.このカエルは木登りも上手だから
道路で車に轢かれなければなんとか生き延びることは
可能なのだろう.日本には40種以上のカエルが棲み
ついているらしいが,カエルの生態学的研究はあまり
多くはないように思う.都会の中の水田と庭木の減少は
彼らの生活を激変させていると思うのだが,今のところ
アマガエル達の大合唱は夜中響き渡っている.
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